SWP工法
既存の工法(ディープウェル工法、ウェルポイント工法など)に比べ、多量の地下水を揚水する。このため比較的少ない井戸本数で目標の水位低下が達せられる。
盤ぶくれの原因となる粘性土直下の水位(水圧)を比較的少ない井戸本数で低下させることができる。薬注などの対策工に比べ経済的であり、確実である。
掘削工事における水替工においては、遮水壁の設置によっても周辺地下水の水位を低下させるリスクが伴う。しかし、本工法では周辺水位の低下が比較的小さい。
地下水位低下による自由水(毛管水含む)の排水に加え、地下空気(水蒸気)の回収により含水比が大きく低下する。これによりドライワークが実現する。
ケーソン函内の地下水圧を低下させ、これにより必要な空気圧を低下させる。作業環境を改善するとともに工期短縮、コスト削減にもつながる。
地すべり斜面の地下水を揚水して水位を低下させ、すべり抵抗を向上させる。通常工法(例えば満州井戸)に比べ、地下水の回収力が大きく、影響範囲も広い。
シールド工事における発進、到達時の切羽崩壊などを防止するため、近傍の地下水位を低下させる。
SWPの井戸管内の減圧(負圧)をウェルポイントのバキュームに利用する。新たな真空ポンプを必要とせず、配管も少なくて済む。
SWP井戸と同様な井戸(復水井戸)を一対として設置し、揚水した地下水を直接復水する工法である。処理費用、排水費の節減、環境保全などのメリットがある。
SKK工法
SWP工法(水中ポンプ、真空ポンプ使用)にブロアー、コンプレッサーを加え、地下水(間隙水)の回収力を強化した工法。地盤改良、土壌地下水汚染対策等に用いる。
地下水位の低下、負圧載荷および盛土の3つの圧縮力により対象層を圧密する。また対象層直下の水位の低下、対象層の透水性改善などにより排水効率を高める。
特にVOC土壌汚染対策に有効な技術。 汚染した地下水の回収し、残留するVOCを空気回収により浄化する。ハイウェイ洗浄を併用することにさらに効果は大きくなる。
粘性土の自由水(毛管水)の回収とともに、水蒸気の回収により吸着水を回収する。概ね10%程度の含水比が低下する。東京外環道自動車道等で実績あり。
砂地盤の地下水面を低下させたのち、水面上の含水比をさらに低下させ、その後水面を上昇させる。この方法により飽和度を低下させ、液状化を防止する。
Qinシリーズ
SWP井戸管内の負圧を利用して、新たに地下水を揚水する技術。SWPによる水位低下が不足する場所(離れた場所)で用いる。
浅層部にQinT-well(水平管)を埋設し、これをQinポンプで吸引排水する技術。ヘドロ・浚渫土砂の脱水、軟弱地盤の改良、グランドの排水に用いる。
集水井戸として利用されている満州井戸の集水力に真空ポンプによる負圧を付加した井戸。比較的多量の地下水を回収し、目詰まり時の洗浄対策も可能。
プラスチック製の空気は通さず水だけを通すスクリーンパイプ(場合によっては空気を通すことも可能)。水平に敷設して使用する。Qinシリーズで用いる配管材。
真空ポンプによる地下水の集水と水中ポンプによる揚水を効率的に行う装置。集水量によって3機種がある。
水力発電において導水トンネルを真空ポンプにより減圧して、水量を増やす技術。これにより発電力を高め、余剰水の利用を可能にする。特許取得。
環境対策技術
地下ダムにおいては貯留水の下部に塩分や肥料等の集積が生じる場合がある。SWPを利用して下部の汚染した水を選択的に揚水して真水に入れ替える技術。
ダム湖などの貯水池に存在するセシウムを、SWPを利用して凝集沈殿させる技術。
ダムや処分場においては浸透流により水や汚染物質が外へ漏れる恐れがある。SWPの運転によるオートシーリング効果等によって浸透流を減ずる技術。
VOCによる汚染地下水と汚染土壌をSWP工法により同時に浄化する技術。
高周波バイブロなどを使って地盤を振動撹拌させて油等を地下水中に排出させ、SWPにより回収する技術。
SKK工法をベースとした洗浄技術。東日本大震災の津波によって生じた田畑や瓦礫の塩分を除去する技術として、また打ち上げられたヘドロを処理する技術として用いる。
解析技術
SWP工法の数値解析は当社の技術アドバイザー(地下水)により実施されます。